投稿日:2025.12.19
顎関節症でも矯正はできる?注意点と装置選びをやさしく解説
みなさん。こんにちは!
横浜駅前歯科・矯正歯科です。
顎関節症があると「矯正治療できないのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。
しかし、実際には多くのケースで矯正治療は可能です。
ただし、症状の程度や口の開き方によっては装置の選択肢が限られることもあります。
今回は、顎関節症と矯正治療のつながりや注意点をまとめ、矯正を始める前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
目次
結論:顎関節症でも矯正は「可能」。ただし事前評価が鍵!
顎関節症があっても、多くの場合は矯正治療を行うことが可能です。
ただし「誰でも同じようにできる」というわけではなく、症状の程度や口の開き具合、痛みの有無などによって治療方針は変わってきます。
たとえば、開口量が十分でないと裏側矯正は難しい場合がありますし、痛みが強い時期には先に症状のコントロールが必要となります。
矯正治療は長期間にわたるため、悪化のリスクを避けながら安全に進めるためには、事前の診断と評価が欠かせません。
迷ったまま自己判断で放置するのではなく、まずは専門医に相談することで、自分に合った選択肢を見つけやすくなります。
矯正は「可能だが条件あり」という点を理解しておくことが大切です。
顎関節症とは?よくある症状とセルフチェック

顎関節症の代表的な症状
- 口を開け閉めすると「カクッ」「ジャリッ」といった音が鳴る
- 顎やこめかみ周辺に痛みが出る
- 大きく口を開けられない
- 硬いものを噛んだときに違和感を覚える
自分でできるセルフチェック項目
以下の簡単なセルフチェックを確認してみましょう。
症状が複数ある場合は、早めに歯科医院での受診がおすすめです。
- 口を大きく開けたときに自分の人差し指・中指・薬指の3本(三横指)が縦に入らない
- 朝起きたときに顎のこわばりや筋肉の疲労感がある
- 口を開けると顎が片側にずれる、まっすぐ開けられない
- 噛むと顎やこめかみに痛みや違和感を覚える
矯正と顎関節の関係:悪化する?改善する?
矯正で改善が期待できるポイント
矯正治療は歯並びや噛み合わせを整えるため、顎関節への負担を軽減できる可能性があります。
噛む力が均等に分散されることで関節や筋肉の緊張が和らぎ、痛みや違和感が改善するケースもあります。
特に不正咬合が原因の顎関節症には有効に働くことがあります。
一時的に症状が変わるリスクがある場合
矯正治療そのものが顎関節症の直接の原因になることは一般的にはありません。
ただし、治療中は歯の移動によって一時的に噛み合わせが不安定となり、顎に違和感を感じる場合があります。小さな変化でも早めに歯科医師へ伝えることで、治療計画の調整や症状の悪化予防につながります。
また、顎関節症は歯ぎしり・食いしばり・片噛みといった癖に加え、ストレスや噛み合わせ不良など複数の要因が重なって発症するケースが多いため、原因が一つではないことを理解しておくことが大切です。
実例紹介:「できます。ただし制約あり」—相談から見えた注意点
矯正を検討中の方からよく聞かれるのが「顎関節症でも矯正は受けられますか?」というご質問です。
実際、症状の程度によっては装置選びや治療計画に影響が出る場合があります。
顎関節症がある場合、裏側矯正(舌側矯正)のように装置を奥に取り付ける治療法は、開口量が足りないと対応が難しくなります。
また、矯正治療を始める際に必要な口腔内スキャンや型取りも、十分に口を開けられない場合、正確に行うのが難しくなることがあります。
こうした場合は、表側矯正やマウスピース型矯正といった代替方法を検討することになります。
矯正前に必要な評価と検査
顎関節・咬合・筋肉・開口量の確認

顎の動きや筋肉の緊張、咬み合わせのバランス、どれくらい口が開くかを評価します。
これにより、装置選びや治療の進め方に影響が出るかを判断できます。
従来型の型取り・口腔内スキャン(光学印象)

口腔内3Dスキャナー
口の中の状態を立体的に把握するために型取りを行います。
従来の印象材を使った方法や、小型カメラによる口腔内スキャンでデジタルデータを取得する方法があります。
ただし、口を大きく開けにくい場合には実施が難しいこともあります。
レントゲン・CT撮影

顎の骨や歯の根の状態、関節の形状を詳細に確認するために行います。
口腔内写真

写真の記録により治療前後の比較や噛み合わせの変化を正確に把握できます。
口が大きく開けにくい時の装置選び
表側矯正

歯の表側に装置を取り付ける表側矯正は、口の中のスペースを広く確保できるため、大きく口を開けにくい方でも対応しやすいのが特徴です。
また、装置の調整やお手入れが比較的しやすいことから、多くの方にとって現実的で安心して選ばれる矯正方法といえます。
裏側矯正(舌側矯正)

裏側矯正は、歯の裏側にブラケットやワイヤーを装着するため、見えにくいメリットがありますが、口を大きく開けにくい方にとっては装着や調整が難しくなる場合があります。
そのため、事前に適応をしっかり確認することが大切です。
マウスピース型矯正
マウスピース型矯正は、取り外しがしやすく、負担が少ないのが特徴です。
ただし、装着や交換の際にはある程度口を開ける必要があります。
また、型取りや口腔内スキャンも、開口が不十分だと難しくなることがあります。
開口制限がある方への矯正の工夫
口を大きく開けにくい場合でも、表側矯正は比較的対応しやすく、無理なく治療を進められることがあります。また、歯並びの乱れが軽度であれば、部分矯正で負担を減らす方法も選択肢になります。
もし症状が長く続いている場合は、開口訓練やスプリント療法などで症状を改善させてから矯正を始めることで、より安全に治療を進められます。
症状が強い場合の先行治療・セルフケア
スプリント等で痛みのコントロール
顎関節症の症状が強い場合には、一般的な方法として、スプリント(マウスピース)を使用し、顎関節や周囲の筋肉にかかる負担を軽減します。
まずは症状を和らげ、その後に治療を進めます。
セルフケアでできること
症状が軽度の場合には、自宅でのセルフケアも役立ちます。
例えば、無理のない範囲で顎周囲の筋肉や口を開閉するストレッチを取り入れることで、筋肉の緊張を和らげられます。
これらはあくまで補助的な方法ですが、習慣化することで負担を軽減できます。
生活習慣の見直し

頬杖や食いしばり、硬い食品をよく食べる習慣は、顎関節に大きな負担をかけます。
また、猫背などの姿勢の乱れは、顎や首に余計な負担をかける原因になります。
日常生活で正しい姿勢を意識し、リラックスする習慣や睡眠時の食いしばり対策を取り入れることで、症状の悪化を防ぎ、矯正治療をスムーズに進めやすくなります。
矯正の進め方と目安:期間・通院・費用の考え方
一般的な矯正治療の期間
矯正治療は1~3年程度かかるのが一般的です。
部分矯正や軽度の症例では短縮される場合もありますが、骨格や噛み合わせの改善を伴う場合は、より長期になることもあります。
費用や通院回数の目安
費用は装置の種類や治療方針によって幅があり、数十万円から150万円前後が目安です。
通院は通常月1回ほどですが、症状や進行に応じて回数が増減することがあります。
顎関節症がある場合の調整ポイント
顎関節症がある方は、定期的に検査やカウンセリングを行いながら治療計画を調整します。
もし痛みや口の開けにくさが強い場合には、まず症状を落ち着かせてから矯正を始めることが望ましいです。
よくある質問(FAQ)
Q1:顎関節症があると矯正は受けられませんか?
A:受けられます。顎関節に症状があっても、多くの場合は矯正治療を進めることが可能です。
Q2:裏側矯正(舌側矯正)は無理でしょうか?
A:開口量が少ない場合や痛みが強いと適応が難しくなることがあります。
表側矯正やマウスピース型矯正など、同じゴールを目指せる他の方法が提案されることもあります。
Q3:マウスピース型矯正は向いていますか?
A:症状によっては適しているケースもあります。
ただし、マウスピースの装着や取り外し、精密なスキャンが可能かどうかも判断のポイントになります。
Q4:矯正で顎関節症が悪化することはありますか?
A:個人差はありますが、注意を払えばリスクを抑えることができます。
治療中は、必要に応じて負担を軽減する調整を行います。
Q5:いつ相談すればよいですか?
A:症状が出ている段階から相談して構いません。
現状を把握し、必要であれば症状緩和を優先し、その後矯正治療に移るという流れも可能です。
当院のサポート体制
当院では、治療を安心して始めていただけるよう、まず事前カウンセリングで不安や疑問を丁寧に整理します。
診療では、口が開けにくい方にも配慮し、型取り方法や手順を工夫して負担を軽減します。
また、症状や生活に合わせた段階的な矯正計画をご提案し、無理のない通院スケジュールを立てます。
常にわかりやすい説明を心がけ、患者様が納得しながら進められる環境づくりを大切にしています。
まとめ

顎関節症があっても矯正は可能ですが、症状や口の開き具合によって装置や計画に制約が生じる場合があります。事前に検査や先行治療を行い、専門医と相談しながら無理のない計画を立てることが大切です。
矯正治療をご検討の方は、ぜひ当院のカウンセリングへお越しください。
合わせてご覧ください>>>歯列矯正で顎関節症は治るの?
★矯正治療は横浜駅前歯科・矯正歯科へ!
専門のカウンセラーが詳しくお話させていただきます。
≫無料矯正カウンセリングのご予約はこちら☆
★横浜駅前歯科・矯正歯科のInstagramでは、
様々な症例や歯科に関する情報を投稿しています!是非フォローお願いします★
※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。






矯正ガイド