投稿日:2023.6.29
矯正が必要な噛み合わせとは?過蓋咬合など見逃されやすい3つの歯並びと治療法
横浜駅から徒歩3分のところにあります『横浜駅前歯科・矯正歯科』です。
「歯並びはいいから矯正しなくても大丈夫!」と思っている方はいらっしゃいませんか?
見た目に問題はなくても、過蓋咬合・口ゴボ・切端咬合など歯列矯正が望ましい歯並びがあります。
今回は、これらの3つの歯並びや矯正が必要な理由・治療法などについて解説いたします。

目次
歯並びが良さそうに見えても矯正が必要な歯並び・噛み合わせとは?
一見すると歯並びが良くても、以下の3つの歯並び・噛み合わせに当てはまる場合には、歯列矯正をすることが望ましいでしょう。
①過蓋咬合(かがいこうごう)
(上)正常咬合 (下)過蓋咬合
過蓋咬合は、噛み合わせが深い状態で『ディープバイト』とも呼ばれています。
正常な場合は、噛んだ時に「上の前歯が下の前歯に2〜3mm程度被さる」形です。
しかし過蓋咬合では上の前歯が大きく被さり、下の前歯がほとんど見えません。
目安として下の前歯の2/3以上が覆われていれば、過蓋咬合である可能性があります。
噛み合わせに問題はあっても、歯並びがキレイに見えることがあり、ご自分では気がつかないケースも少なくありません。
②上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)
上または下の顎の骨や前歯が外側に出ている状態をさします。
自然と口元が前に突き出てしまうため「口ゴボ」も見られることが高いでしょう。
「口ゴボ」は専門用語ではなく、 口元がモッコリ出ていたりゴボッとしている様を表す言葉として使われています。
歯並びは良く見えることもありますが、お顔を横から見ると口元が突き出ているのが特徴です。
横顔の美しさを表す基準として「Eライン」というものがありますが、口ゴボの場合は残念ながらこれに当てはまりません。
正常な噛み合わせと理想的な横顔 上下顎前突によりEラインから口元が突出(口ゴボ)

※Eラインについてはこちらへの記事で詳しく解説しています。
≫【矯正治療でEラインは整うの?】
③切端咬合(せったんこうごう)
切端咬合とは、上下の歯を噛み合わせた時に前歯の先端同士が噛み合う状態のことをいいます。
過蓋咬合のところでもお伝えしたように、通常の噛み合わせの場合は「上の前歯が下の前歯に2〜3mmほど」被さるものです。
また、横から見た時には上の前歯が下の前歯よりも2〜3mmほど前に出ます。
噛み合わせに問題があるのに矯正しないリスクとは
歯並びや噛み合わせに問題があっても、特に支障を感じていなければ「このままでいい」と思ってしまいがちですよね。
しかし実際は、放置しておくことで様々なトラブルに繋がります。
この項では、上記の3つの歯並びのデメリットについてそれぞれご説明していきますので、ぜひご覧ください。
①過蓋咬合を放置するデメリット
・下の前歯が上の前歯や歯ぐきに強く当たりやすい
・顎関節に負担がかかるため顎関節症を発症することがある
・歯の寿命が短くなる
「80歳になっても20本以上自分の歯を保ちましょう」という運動※1があることをご存じでしょうか。
これは1989年から当時の厚生省と日本歯科医師会が推進しているものです。
『Dental Prescale®️を用いた8020達成者の咬合調査※2』によると、達成者のうち85%は噛み合わせが正常な人、
そして過蓋咬合の人の割合は30%未満という結果になっています。
このことからも、 過蓋咬合が歯の寿命を短くしている可能性があると考えられるでしょう。
また、噛み合わせは歯だけではなく健康寿命にも関係しています。
ぜひ下記の記事もお読みになってみてください。
≫【噛み合わせは健康寿命に大きく影響する⁉~噛み合わせが悪いカピバラの死~】
※1【8020運動】ー日本歯科医師会ホームページ
※2 参考:『Dental Prescale®️を用いた8020達成者の咬合調査』ー歯科学報 105(2)154-162,2005年
②上下顎前突を放置するデメリット
・唇を閉じにくいため口呼吸になりやすい
・口内が乾燥し唾液の自浄作用が機能しなくなる
・虫歯や歯周病のリスクが高まる
・口臭が気になりやすくなる
・口元が突出するため見た目のコンプレックスになりやすい

上下顎前突は、様々なトラブルを引き起こす口呼吸の原因になります。
口呼吸によって生じるトラブルについては、こちらの記事で詳しくご説明しています。
≫【“口呼吸”してはいけないってホント? 】
③切端咬合を放置するデメリット
・歯がすり減ったり、欠けたりする
・歯に大きな負担がかかるため、歯の根っこが割れてしまうことがある
・抜歯せざるを得ない状況になる可能性がある
・顎関節症になるリスクが高い

切端咬合のリスクについては、治療法と合わせてこちらの記事で解説しております。
≫【認知度は低め?「切端咬合」について、リスクや治療法を解説します!】
あなたの歯並びは矯正が必要?セルフチェックリスト
歯列矯正をした方がいい歯並びをお分かりいただけたところで、あなたの歯並びについてセルフチェックをしてみましょう。
【セルフチェック項目】
☑︎ 上下の歯を噛み合わせた時に下の歯がほぼ見えない
☑︎ 唇を閉じにくい、口が開き気味
☑︎ 口元が突き出ていて気になる
☑︎ 横顔にコンプレックスがある
☑︎ 口元がモッコリと出ていて「ゴリラみたい」と言われたことがある
☑︎ 前歯の先端を合わせて噛んでいる
☑︎ 前歯で食べ物を噛み切りにくい
もし上記の項目に1つでも該当するようであれば、歯列矯正をした方が良い可能性があります。
一度矯正歯科で相談してみてください。
歯列矯正にはどんな方法がある?
歯列矯正は、主に以下のような種類に分けられます。
表側矯正
歯の表側に固定式の装置をつけ、そこにワイヤーを通して歯を移動させる方法です。
裏側矯正(舌側矯正)
歯の裏側に装置とワイヤーをつけるため、装置が目立ちにくい方法です。
マウスピース型矯正
着脱式の透明のマウスピースを使って歯を動かす方法です。
他に「外科矯正」や「ハーフリンガル矯正」「矯正用アンカースクリューを用いた矯正」などもあります。
各治療については、こちらから詳しくご覧いただけます。≫【治療内容】//【治療費用・料金】
実際に歯並びを改善した方の症例を紹介!
当院では、矯正治療をお考えの方にはまずカウンセリングを受けていただき、お悩みやご要望についてじっくりお伺いいたします。
その後、治療をご希望される場合には、CT分析による精密診断を行った上で患者様一人ひとりに適した治療方針をご提案いたします。
ご了承を得てから治療開始となりますので、どうぞご安心ください。
ここでは、上下顎前突で口元が前に出ていることが気になり歯列矯正をされた患者様のケースをご紹介します。
【患者】22歳(矯正開始時)女性
【矯正方法】裏側矯正(舌側矯正)、矯正用アンカースクリュー使用
【抜歯部位】上下左右の第一小臼歯と第三大臼歯(親知らず)
【治療期間】26カ月
【費用】検査・診断料:¥38,500-(税込)/裏側矯正治療費:¥1,375,000-(税込)
(上)矯正前 (下)矯正後

(上)正常咬合 (下)赤〇:切端咬合
(上)矯正前 (下)矯正後
歯だけ見ると、矯正が必要だとは思えないかもしれませんね。
【矯正中/矯正開始から7カ月経過】
目立たない装置と上顎に埋入した矯正用アンカースクリュー(↑〇)で、上下の前歯を引っ込めているところ。
治療終了後は、口元の突出感を改善することができました。
患者様は「横顔に自信を持てるようになりました!」と感動していらっしゃいました。
矯正治療のリスク
矯正治療は歯並びや噛み合わせを整えることができる魅力的な方法ですが、メリットだけではありません。
歯根吸収(歯の根っこが短くなる)・歯肉退縮(歯ぐきが下がる)・虫歯や歯周病・歯の変色・歯や顎の痛み・発音障害・口内炎などのリスクも伴います。
信頼できる医院を選び、治療を始める前には十分な説明を受けましょう。
メリットだけではなくデメリットやリスクなどについても理解した上で進めることが大切です。
※歯列矯正をお考えの方はこちらも参考にしてください。
【歯列矯正を始める前に知っておくべき!矯正歯科の精密検査でCT撮影が必要な理由】
【矯正治療前に知っておくべき!セファロ分析の重要性〜セファロを撮らない矯正歯科は危険?~】
※矯正中の痛みが心配な方は、ぜひこちらの記事もお読みください。
【矯正治療の痛み】
歯列矯正や歯並びについては横浜駅前歯科・矯正歯科まで気軽にご相談ください
今回は、矯正が必要な3つの歯並びやその理由・治療法などについてお話しました。
ご自分では「歯並びが良い」と思っていても、専門家から見れば歯列矯正が必要なケースもあります。
知らずに放置してしまうと、歯の寿命を縮めてしまうだけではなく、様々なトラブルを引き起こしかねないため注意が必要です。
ぜひこの機会に、あなたの歯並びをチェックしてみてください。

横浜駅前歯科・矯正歯科では、歯並びなどについてのご相談を随時受け付けております。
ご自分の歯並びが今回ご紹介した3つの歯並びに該当するかどうか不安な方は、当院のカウンセリングをご利用ください。
矯正相談のご予約はこちらから。





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