投稿日:2021.12.1
矯正治療における非抜歯のメリット・デメリット
こんにちは。
横浜駅西口から徒歩3分のところにあります。
横浜駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
歯列矯正について、患者様から「歯を抜かなくてもできますか?」とご質問をいただくことがあります。
「痛くて大変なイメージがあるから、できるだけ歯を抜きたくない」「自分の歯は残しておきたい」と思っていらっしゃる方は少なくないのではないでしょうか。
患者様のお口の状態によっては、歯を抜かずに歯列矯正を行うことも可能です。
今回は、大人の歯を抜かずに歯列矯正をする「非抜歯矯正」について、メリット・デメリットなどを含めてお話させていただきます。
目次
非抜歯矯正とは?
歯を抜かないで歯列矯正を行うことを「非抜歯矯正(ひばっしきょうせい)」といいます。
反対に、歯を抜く場合は「抜歯矯正(ばっしきょうせい)」と呼んでいます。
少しややこしくなりますが、抜歯矯正は「大人の歯を抜いて矯正をする場合」のことで、親知らずを抜くかどうかは関係ありません。
しかし非抜歯治療では、抜く対象は「大人の歯」に限られます。そのため、もし親知らずを抜くのであれば「非抜歯」に含まれるのです。
親知らずは本来なくてもいいものですが、それ以外の真ん中から数えて上下左右7番目までの歯はあるべきもの。
つまり、1番目から7番目までの歯を抜くかどうかが基準になると考えていただくと良いでしょう。
歯を抜かずに矯正治療が可能な歯並びとは
当院では、下記のようなケースの場合に非抜歯矯正をご提案することが多くあります。
歯並びの乱れが少ない場合
歯並びの乱れが軽度であれば、そのまま進められる可能性が高いでしょう。
また「IPR」という歯の側面をヤスリがけし、歯を並べるためのスペースを作る方法などもあります。
口元が前に出てない場合
お顔を横から見た時に、口元が前に出ていることを「口ゴボ」といいます。
この場合は「出っ歯」の可能性が高く、歯並びを整える際には前歯を内側へ引っ込めるためのスペースが必要です。
もしこのスペースが確保できるようであれば、歯を抜かずに進めるケースも多くあります。
抜歯により悪影響があると予想される場合
歯列矯正は、少しずつ力を加えて歯を移動させていくので、歯や顎の骨に負担がかかるものです。
そのため、もし骨の量が少なかったり根の長さが短かったりする場合は、歯の寿命を短くしてしまう可能性があります。
また下の親知らずと顎の骨の中を通る神経の位置が近いケースでは、誤って神経を傷つけてしまうと、しびれや麻痺などが生じてしまう恐れも。
このようなリスクが予想される時には、あえて歯を抜かずに治療を進めていく選択をすることもあるでしょう。
すきっ歯の場合

すきっ歯
歯と歯の間に隙間があるため、その隙間を利用することで歯並びを整えられることも多くあります。
非抜歯矯正のメリット・デメリット
歯を抜かないで矯正する際のメリット・デメリットは、下記の通りです。
《メリット》
-
費用を抑えられる可能性が高い抜歯をせずに矯正するケースでは、歯並びの乱れが比較的軽度だと思われます。
そのため治療期間は短く、費用も抑えられる可能性が高くなります。さらに、抜歯に必要な費用もかかりません。 -
治療期間が短くて済む抜歯後は、傷口が治るまでの時間が必要です。そのため治療期間は「歯列矯正期間+傷口が治る期間」として、平均2年半~3年ほどかかります。
一方、歯を抜かない場合は歯列矯正だけなので、平均1年半~2年くらいで終了となることが多いでしょう。
ただし個人差があります。
抜歯の有無に拘らず、歯並びの状態や歯の動き方、来院ペースなどによって期間が変わることも十分に考えられます。 - 歯の本数を保つことができる「なるべく歯を抜きたくない」「健康な歯には手をつけたくない」という方は多くいらっしゃいます。
非抜歯矯正は、大人の歯を抜かずに歯並びを整える方法です。
そのため、できるだけご自分の歯を維持しながらキレイな歯並びを手に入れたい方に適しているといえるでしょう。
《デメリット》
- 歯を動かす範囲が限られる抜歯をしない場合は、限られた範囲の中で歯を並べていくことになります。抜歯をすれば、おおよそ14mm〜16mmのスペースが確保できますが、抜かなければ2〜3mm程度です。
歯を移動させられる範囲も必然的に制限されてしまいます。 - 治療計画に制限が生じてしまう上記でお伝えしたように、歯を並べるための十分なスペースが得られないことも多く、治療計画が制限されることもあります。
- 歯周病のリスクがある限られた範囲で歯を並べるため、歯ぐきや歯を支えている顎の骨に負担がかかりやすくなります。
その結果、歯ぐきが下がってしまったり、歯周病になりやすくなるなどのリスクもあります。 - 後戻りしやすくなる可能性がある抜歯の有無に関わらず、後戻りすることはあるものです。
非抜歯では、噛み合わせをしっかりと合わせることが難しいケースもあり、もし噛み合わせにズレがあるなどして安定していない場合には、後戻りしやすいかもしれません。
抜歯矯正と非抜歯矯正どちらがいい?
結論からお伝えすると、どちらかが良いとは一概にいえません。
なぜなら患者様のお口の状態によって、どちらが良いかは異なるからです。一般的に、矯正治療を始める前にはカウンセリングを受けていただきます。
その上で治療をご希望されるようでしたら、お口の状態を把握するための精密検査に進みます。
精密検査では、次のようなことを行います。
- お口の中やお顔の写真撮影
- レントゲン撮影、CT撮影
- 口腔内スキャナーまたは型取りの材料による歯型の採取
口腔内スキャナーは、小型のカメラを用いて撮影することでお口の中を立体的な画像としてデジタル化できる機械です。
これにより、歯の動き方の予想や最終的な歯並びのシミュレーションも見ることもできます。
取り入れている医院も増えています。
従来のような型取りの材料を使って歯型をとる必要がないため、患者様の負担も軽減されるでしょう。
このような検査を通して、患者様の歯並びや噛み合わせ・顎の状態などを把握し、診断・治療計画の立案をしていきます。
抜歯をするのか、または非抜歯で矯正を進めていくのかは、この時に歯科医師の診断により決定されると思っていただくと良いでしょう。
治療計画については、抜歯の有無を含めて詳しいお話がありますのでご安心ください。
その上で、矯正をするかどうか患者様ご自身に決めていただくという流れになります。
もしご不安な点やわからないことなどがあれば、歯列矯正を始める前にしっかり確認しておきましょう。
歯列矯正の抜歯についてご不安のある方は気軽にご相談ください
今回は、大人の歯を抜かないで歯列矯正を行う場合のメリット・デメリットについてお話しました。
歯列矯正を行う上で「抜歯をしないとキレイな歯並びにはできない」というイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、必ずしもそうとは限りません。
歯科矯正専門医院である横浜駅前歯科・矯正歯科では、歯並びが気になる方や歯列矯正について詳しくお聞きになりたい方を対象としたカウンセリングを随時行っております。
患者様一人ひとり、歯並びや口元のお悩みは異なるものです。
一人で悩んでいるより、まずは歯の専門家である私たちに一度相談してみませんか?
カウンセリングを受けたからといって、歯列矯正を始めなければいけないわけではありませんので、どうぞ気軽にご利用いただけたらと思います。
お悩みやご質問などがございましたら、何でも遠慮なくお話くださいね。
矯正カウンセリングのご予約は、こちらから承っております。
横浜駅前歯科・矯正歯科のInstagramでは、
様々な症例や歯科に関する情報を投稿しています!是非フォローお願いします