投稿日:2025.12.5
口元を下げたい方へ|マウスピース型矯正でできること・できないことと抜歯の判断基準
みなさん、こんにちは!
横浜駅前⻭科・矯正⻭科です。
「マウスピースで口元を引っ込めたい」というご相談をよくいただきます。
透明で目立たず、取り外しができるマウスピース型矯正は、見た目や生活の負担が少ない治療法としてとても人気があります。
しかし、口元をどこまで下げられるかは、歯並びや骨格などの状態によって異なります。
この記事では、マウスピース型矯正でできること・難しいこと、そして治療を検討する際に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
目次
マウスピース型矯正で口元は引っ込められる?
マウスピース型矯正は、軽度から中等度の口元の突出であれば対応できます。
しかし、大きく口元を引っ込めたいと希望する場合には、歯を後ろへ動かすためのスペースの確保が不可欠です。
マウスピースだけでの改善が難しい場合、必要に応じて抜歯や部分的なワイヤー矯正、アンカースクリューの併用が検討されることもあります。
最終的には「どの程度下げたいか」という目標や横顔のバランスを踏まえて治療方針が決まります。
理想に近づくためにどの方法が最適かを担当医としっかり相談することが大切です。
口元が出ている分類・原因を解説
出っ歯の種類

歯槽性(歯の傾き・位置による影響)
歯が前方に傾いて生えていたり、歯並びの位置が前方向にずれていることで、口元が前に出て見えることがあります。
これを歯槽性の原因と呼びます。軽度から中等度であれば、マウスピース型矯正による歯の移動で対応可能です。
骨格性(上下顎の骨格のバランス)
上下の顎の骨格の位置や大きさのバランスに問題がある場合、歯だけを動かしても口元を大きく引っ込めるのは難しいことがあります。
こうしたケースでは、外科的矯正が必要になる場合があります。
出っ歯になる原因
生まれつきの要因
顎の骨格や歯の大きさ、歯と顎のバランスなどは親からの遺伝の影響を受けやすく、成長の過程で自然に突出した印象につながることがあります。
習慣や癖による影響

生まれつき歯並びが整っていても、普段の癖や習慣が原因で後天的に歯並びが崩れる場合があります。
例えば、口呼吸を続けると唇や顎の筋肉が弱まり、歯が前に出やすくなることがあります。
また、舌で歯を押す癖や、片側でばかり噛む習慣も口元のバランスに影響します。
口元の状態のセルフチェック
自分の歯並びや口元の状態は、以下のポイントを確認してみましょう。
気になる点があれば、自己判断せず早めに専門医に相談することが安心につながります。

- Eラインの確認:鼻先と顎先を結んだラインより、唇が大きく前に出ていないかをチェックします。
- 口唇の閉じやすさ:力を入れず自然に口が閉じられるか、無理に閉じていないか確認しましょう。
- 前歯の傾き:前歯が前に倒れていないか、上下の歯が適切に噛み合っているかを見てみましょう。
マウスピース型矯正で「できること」
IPRや歯列拡大によるスペース確保

IPRとは、歯と歯の側面をわずかに削って隙間を作る処置です。
この方法をマウスピース型矯正と組み合わせることで、前歯を後方に下げることができます。
アタッチメント・顎間ゴムでのコントロール

マウスピース矯正と顎間ゴムの併用例
マウスピースには、歯の動きを正確に導くために「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起を歯に装着することがあります。
これにより、歯の効率的な移動を助けます。さらに、必要に応じて顎間ゴムを併用することで、より安定した噛み合わせを目指せます。
適応しやすい症例の特徴
軽度から中等度の歯の前突や叢生(歯のデコボコ)があるケースの対応が適してています。
自己管理が重要

マウスピース型矯正は治療計画に沿った装着時間と交換を守ることが治療結果に直結します。
一般的には1日20〜22時間の装着が必要です。自己管理が不十分だと治療計画通りに歯が動かないこともあります。
マウスピース単独だと難しいケース
歯並びの乱れが大きい場合や、口元を大きく引き込みたいと希望する場合は、歯の角度や位置を精密にコントロールする必要があり、マウスピース型矯正だけでは対応が難しいことがあります。
さらに、骨格的な問題が関係している場合には、外科的矯正が必要になるケースもあります。
無理にマウスピースだけで治療を行うと、歯茎の退縮や治療後の後戻りといったリスクが高まるため注意が必要です。
安定した仕上がりを得るためには、必要に応じてワイヤー矯正やアンカースクリューなどを組み合わせることも検討されます。
治療法を選ぶ際は、「マウスピースでできるか」だけで判断せず、「理想の仕上がりに近づくために最適な方法は何か」を担当医とよく相談することが大切です。
抜歯になることが多いケースとその理由

歯を後ろに動かして口元を引っ込めたい場合、必ず考えなければならないのが「スペースの確保」です。
非抜歯で治療を進められるケースもありますが、歯を動かせる量には限界があります。
大きな移動が必要な場合には、どこかに空間をつくる必要があり、その手段として第一小臼歯などの抜歯が必要になることがあります。
このスペースを活用することで、前歯を後方へ移動させやすくなります。抜歯の有無は、事前の診断結果をもとに担当医としっかり相談して決めることが大切です。
併用の選択肢:ワイヤー・アンカースクリュー(TAD)・外科
ワイヤー矯正の併用でできること
マウスピース型矯正では歯の角度や根の位置を細かく調整するのが難しい場合があります。
そこで、部分的にワイヤー矯正を組み合わせると、歯の動きをより精密に調整し、仕上がりの精度を高めることができるケースで役立ちます。
アンカースクリュー(TAD)の役割

アンカースクリューとは、歯茎の骨に小さなネジを固定し、歯を効率的に動かすための支点として使う方法です。
前歯をしっかり後ろへ下げたい場合などに有効で、安定した力をかけることができます。
また、症状によってはアンカースクリューを活用することで、抜歯をせずに治療を進められることもあります。
外科矯正が選択されるケース
顎の骨格そのものに原因があるケースには、口元の突出を大きく改善をするために外科的矯正が検討されることもあります。
治療方針を決める際の注意点
矯正方法を選ぶ際は、「理想とする見た目」や「無理のない期間・費用」といった患者様のご希望と、医学的に安全で効果的な治療方針の両立が重要です。
担当医と十分に話し合い、治療のゴールや進め方を共有することで、納得のいく仕上がりにつながります。
見た目の改善を重視する場合でも、噛み合わせなどの機能面をおろそかにせず、長期的な健康を見据えて治療計画を立てることが大切です。
期間・費用の考え方とシミュレーションの注意点
矯正治療の期間は、歯並びの状態や治療の目的によって大きく異なります。
最近では、3Dシミュレーションで治療後のイメージを確認できますが、骨格や軟組織の変化までは正確に再現できません。
そのため、あくまで目安として考え、経過観察や微調整が必要になる場合があることを理解しておくことが大切です。
また、矯正費用は使用する装置や治療法によって異なり、自由診療のため医院ごとに料金体系も変わります。治療前に見積もりを確認しておくと安心です。
失敗しないためのチェックリスト
矯正で理想の仕上がりを得るためには、事前の確認と準備が大切です。
以下のポイントをチェックしてみましょう。
- どの程度口元を引っ込めたいのか、写真や横顔の具体的なイメージを歯科医と共有する。
- 歯並びや骨格の状態を確認し、適した治療法を選択する。
- マウスピース単独で進めるか、ワイヤーやアンカースクリューの併用、外科的矯正まで含めるかを比較検討し、自分に合った方法を選ぶ。
- 装着時間や治療計画に沿ったマウスピースの交換、決められた通院頻度を守る。
- 矯正後の保定期間にはリテーナーを正しく使用する(後戻りの予防)
よくある質問(FAQ)
Q1:マウスピース単独でEラインを改善できる?
A:軽度〜中等度の症状の改善は期待できますが、大きな後退には抜歯や他の装置の併用が必要です。
Q2:抜歯を避ける選択肢はある?
A:隣接の歯のIPR(ディスキング)や、アンカースクリューを併用することで非抜歯で対応できる場合もありますが、歯を動かすための余裕が不足している場合は改善に制限がかかる可能性があります。
Q3:ワイヤーに切り替えることは可能?
A:治療の進行状況に応じて、より理想の仕上がりに近づくためにワイヤー矯正に切り替えることもあります。
Q4:矯正後の後戻りを防ぐには?
A:矯正治療が完了した後は、保定装置(リテーナー)を装着して歯の位置を安定させることが重要です。
リテーナーを正しく使うことで、動かした歯が元の位置に戻る「後戻り」を防ぎ、整った歯並びを長くキープできます。
まとめ
マウスピース型矯正で口元を下げられるかどうかは、お口の中の状態やご希望の程度によって変わります。
軽度から中等度の症状であれば対応できますが、大きな後退には抜歯やワイヤー矯正の併用が必要になる場合もあります。
まずは精密検査とカウンセリングを行い、無理のない治療方法を見極めることが大切です。
横浜駅前⻭科・矯正⻭科では、3Dシミュレーションを活用し、治療後の仕上がりをわかりやすくご説明しています。
見た目だけでなく機能面も考慮し、患者様一人ひとりに合った治療計画をご提案いたします。
矯正をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。






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